ひょんなきっかけでチェンソーアートを初体験した私は、結局翌月から龍神チェン
ソーカービング倶楽部の会員となった。
現在では全国各地に同好会であるチェンソーカービングのクラブが存在するが、その
当時はまだめずらしい存在であった。
というよりチェンソーアート自体がまだまだ世間で認知されていない存在であった。
うちの倶楽部が発足したきっかけは現在もプロとして活躍している城所啓二氏が龍神
村に移住することとなり、龍神村在住のチェンソーカーバーが中心となり村おこしも兼ねて発足させたのが当倶楽部で
ある。
発足当初の倶楽部の雰囲気は「チェンソーアートで世の中を変えてやるんだ ! 」ぐ
らいの勢いでみんな熱く語り合っていた。
会話についていけない初心者の私にもその熱い思いは伝わったし、なにかおもしろそ
うな集団に加わったなという感じであった。
月に一回、土日2日間の練習会が倶楽部のメイン活動であったが、土曜日はまじめに
練習し、夜は城所氏宅で宴会、翌日は二日酔いで練習会はお休み。となるパターンが多かった。そのうち練習会はパスして
も夜の宴会は必ず参加するというパターンの会員も増えてきた。
元々不器用な私は練習会には必ず参加しようと決め、もうすぐ5年が経とうとする現
在もそれは実行しているつもりである。
ただ、これだけチェンソーアートを続けてこられたのは倶楽部の友人であるメンバー
のおかげであると感謝している。
龍神チェンソーカービング倶楽部の存在なしには今の私はないと思う。
何かを成すにあたって出会う人々の存在がいかに大きいかを常々考える。
ひとりでは何も出来ないのが人間であり、良き仲間と出会えたことが自分にとってた
だの偶然ではないと最近つくづく思う。
自ら考え、行動し、仲間と語り合い、共に行動してこそ何事も成し遂げられるような
気がしてならない。