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私が今最も感じるのは、森と人間との関係が疎遠になっていることである。
私は森林組合の作業員として山仕事をやり始めてから3年目に森林インストラクターの資格を取った。
なぜそんな資格を取ったかといえば、それまでも組合を通じて森林に関する講習や実習を受けさせてもらったがそんな知識を一度自分なりに整理して理解したいと思うようになってきたからである。
最近は地球温暖化の問題を筆頭にマスコミでも盛んに環境問題が報道されるようになり、人々の環境に対する関心も徐々に高まりつつある風潮にあると思う。
しかし、環境について考えたり、行動するといっても人間社会と複雑に絡んでいるし、いろんな方面からのアプローチ
があるのでそんなに事は単純ではない。
環境について考えたり、行動して下さい。と突然言われても戸惑う人が多いのが現状だと思う。
ただ、漠然とではあるが何かしなければいけないんじゃないかな? と思っている人も多いのは確かだと思う。
私もそんな中のひとりであったが、それを考えたり実行するフィールドとして森林を選んだ。
もともと木や山は理屈ではなく好きであった。無垢材で出来た家具や家は美しいと思うし、山に登るのも好きであったが、仕事として森林と関わるようになってからは、植えるだけ植えてほったらかしにされている山の多さに愕然とした。遠目に景色として見ていた山と実際の現場とでは、こんなにも違うものかと驚かされた。
本来、人間にとって環境としても生活としても密接に関わり、そこから恩恵を受けていた場所に人がいないのがまず重要な問題だと思う。
このコラムでは、私自身ももっと学び、私の今考えていることや具体的な活動の紹介をすることによって、皆さんにも森や木のことをもっと知ってもらい、正しく理解してもらうことで、自分なりの行動を起こすきっかけにしてもらえたら幸いだと考えています。